― 医療DX・介護DX専門家として、日本の未来医療・未来介護福祉の更なる発展を願って ―
このたび私、小林土巳宏は、2023年度より3カ年度にわたり担当して参りました 『公益社団法人 全日本病院協会主催 医療DX人材育成プログラム』講師の任を、2025年度をもちまして辞退させていただく運びとなりました。
この3年間、私の講座にご参加いただいた医療従事者の皆さまは「計773名」にのぼります。
2023年度:136名
2024年度:368名
2025年度:269名
―― 合計:773名
全国各地の医療機関・介護施設から、医師・看護師・コメディカル職・事務職・管理職・情報担当者・介護従事者など、医療DX・介護DXの最前線を担う多様なプロフェッショナルの皆さまがご参加くださいました。
この数字は単なる受講者数ではなく、日本の医療&介護現場が「医療DX・介護DXの本格的な変革期」に突入したことを示す象徴的な軌跡であると、私は強く感じております。
■ 医療DX専門家としての私の使命
私はこれまで、医療DX・介護DXの専門家として、電子カルテ標準化、SS-MIX2、HL7FHIR、診療情報共有サービス、PHR統合基盤、地域医療連携ICT、そして「医療DX令和ビジョン2030」が掲げる次世代医療の実現に向けて、研究と実務の両面から取り組んで参りました。
電子カルテや医療情報システムの研究から始まり、病院経営、医療政策、ICT基盤、データ利活用、さらには国際比較研究(台湾NHIなど)に至るまで、広い領域を横断して探究を続けています。
これらの活動を通じて、私は 「医療DX・介護DXは単なるIT化ではなく、医療の質と安全、医療経営、そして日本の医療体制そのものを変革する国家的プロジェクト」 であることを深く実感してきました。
そして私は幸いにも、この国家的な大きな流れの中で、医療DX・介護DX推進に関わる多くの病院・団体・自治体・企業・大学との研究・講義・共同プロジェクトに関わる機会を得てきました。
その中でも、全日本病院協会の皆さまとの3年に及ぶ歩みは、私にとって非常に大きな財産となりました。
■ 医療DX人材育成は、これからの医療の「生命線」
講義を担当する中で痛感したのは、「医療DX・介護DXを理解し、推進できる人材こそが、日本の医療&介護福祉を支える未来の核になる」という事実でした。
最新技術の知識だけではありません。
病院の運営、医療安全、業務改善、データ利活用、ICT導入、地域連携、レセプト・DPC、行政制度、補助金活用、患者中心の医療デザイン──。
医療DX・介護DXには、極めて多角的な知識と視野が求められます。
そして、これらを正しく理解し、現場の課題と結びつけることこそが、医療DX・介護DX推進における最重要ポイントです。
講義を通じ、受講された皆さまが「自施設に戻り、医療DX・介護DXを自らの言葉で語り、推進するリーダーになっていただけるように」という願いを込め続けてまいりました。
■ 受講された773名の皆さまへ
日本の医療DX・介護DXを前に進める力を持つのは、国でもベンダーでもなく、医療&介護の現場の皆さま自身です。
皆さま一人ひとりが、自施設の現場で課題を見つけ、対話し、改善し、デジタルの力を活かして、よりよい医療をつくり上げる存在です。
講師としてお伝えしたことが、その歩みの一助となっていることを心から願っております。
■ 2026年度について
諸般の事情により、私の講義は 2025年度をもって一区切りとなり、2026年度からは 別の講師の方が担当される予定です。
プログラム自体は引き続き継続され、日本の医療DX・介護DX推進の重要な基盤として、今後さらに発展されることと思います。
■ 最後に
医療DX・介護DXは、日本の医療の未来を左右する大きな変革です。
そして私は、これからも医療DX専門家として、研究・教育・現場支援・国際連携など、さまざまな活動を通じて、日本の医療・介護福祉の進化に一層貢献していく決意です。
3年間という時間は決して短くありません。
しかし、私にとってこの期間は、未来につながる大きな学びと出会いを与えてくれた、かけがえのない道のりでした。
これまで講義を通じて関わった全ての皆さま、ご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。
そして、皆さま一人ひとりが、自身の医療現場で「医療DX・介護DXの灯火」をさらに大きく育てていかれますことを、心から祈念いたします。
2025年度をもって講師を辞するにあたり、深い感謝とともに。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


